2013年

9月

12日

スティーブ・ジョブズ氏の生き方 Steve Jobs

“終わりから考えてみる(Think from the END)”というテーマを考える時、個人的にとても印象に残った記事を思い起こします。それは201110月に米アップル社の創業者スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が惜しくも亡くなった際に大量に溢れた追悼記事の一つでした。ブログ第3回目は、スティーブ・ジョブズ氏について少々お話したいと思います。 

 

私は特にジョブズ氏のファン・崇拝者というわけではないのですが(実際彼の伝記も未だ読んでいません)、目に入ってきた記事を読んで「ああ、この人は終わりから考えて生きることのできた、先見の明がある人だったのだ」と思いました。


革新者(Innovator)として高い評価を得ていたジョブズ氏ですが、あるエピソードでは新商品のアイデアに尽きた商品開発部門のスタッフにしびれを切らして、敢えて“物を作る”ことに捕らわれるのではなく、人々をワクワクさせるような生活を先にイメージしろと厳しく言い聞かせた(正確には怒鳴った)そうです。彼のスタッフが「こんなことが実際にできたら!」と楽しい想像を重ねていった結果、iPhoneiPadという便利で世界の人々の生活を一変させた素晴らしい商品がこの世に送り出されました。


そして有名な2005年のスタンフォード大学でのスピーチでは、卒業生たちに以下のようなメッセージを送っています。

 

"…for the past 33 years, I have looked in the mirror every morning and asked myself: "If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?" And whenever the answer has been "No" for too many days in a row, I know I need to change something.

…Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything — all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important.

Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma — which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition."

 

簡単に訳すと、「 “もしも今日が自分の人生の最後の日だとしたら、今日予定していることをやりたいと思うだろうか?”とこの33年間毎朝鏡の前で自問してきた。“ノー”という答えが何日か続いたら、何かを変える必要があった。自分が死ぬ日を予期し、生きていられる時間に限りがあることを常に意識し自覚した結果、本当に大切なことだけを選択して人生での大きな決断を下すことができた。君たちには、他人の意見に惑わされながら無駄に生きることはしないで欲しい。直感を信じて、自分の信念を貫く勇気、自分が本当に望む通りに生きる勇気をもって欲しい。」といった事を述べています。


また彼は同じスピーチの中で、「どんなに時間がかかっても本当に自分がやりたい仕事、情熱を注げられるような好きな事をみつけなさい。良い業績を残すにはそれしかないからだ。恋人選びと同様、絶対に妥協してはいけない。」とも言っています。確かに彼のこのような確固たる姿勢は、部下に対しても優れた仕事をするようにと目標を高く設定し、発案者が信念を持っていない意見・アイデアは無視したことにも表れていました。

 

最後に、私が最も感銘を受けた彼の「人生の大きな決断」を記します。彼は愛妻家としても有名でしたが、実は彼はもう少しで彼女との運命的な出会い、決定的なタイミングを逃すところでした。というのも彼女と初めて知り合った日、彼女のことが気にかかりながらも予定していた仕事上のミーティングに向かうべく車にエンジンをかけようとした矢先、先述のような「もしも今晩が人生最後の夜だとしたら、、」という問いが頭に浮かんで、急きょミーティングをキャンセルしてまだ駐車場にいた彼女を食事に誘ったそうです。そのまま二人で歩いて近くのレストランに行き、それ以来20年以上仲良く一緒に暮したそうです。

"I was in the parking lot with the key in the car, and I thought to myself, 'If this is my last night on earth, would I rather spend it at a business meeting or with this woman?' I ran across the parking lot, asked her if she'd have dinner with me. She said yes, we walked into town and we've been together ever since."

 

先日米国で公開された映画『スティーブ・ジョブズ』(111日本公開予定)では若い頃の彼の気性の激しさと冷酷ぶりが刻銘に描かれていますが、晩年の彼は、残してゆく子供達に自分の人生を知ってもらいたいという願いから自身の伝記の出版を許可するなど、家族想いの一面がありました。


これを読む皆さんは、後で後悔しないためにどのような生き方を選択されますか?

 

参考

スタンフォード大学 2005年度卒業式辞スティーブ・ジョブズ(原稿&映像)

http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html

http://www.youtube.com/watch?v=XQB3H6I8t_4 (日本語字幕付映像)

9 things you didn’t know about the life of Steve Jobs 

http://news.yahoo.com/blogs/technology-blog/8-things-didn-t-know-life-steve-jobs-172130955.html

2013年

6月

13日

バケット・リスト Bucket List

第1回目のブログでは「死ぬ瞬間の5つの後悔」を取り上げましたが、第2回目も引き続き“終わりから考えてみる(Think from the END)”というテーマで、“バケット・リスト(Bucket List)”について書き記したいと思います。

 

不思議なことに“Bucket List”を通常の英和辞典で調べても適切な訳が出てきません。ここでのBucketは“Kick the bucket”(=死ぬ)というスラング(俗語)の表現から来ており、要するにBucket Listとは「棺おけリスト」を指します。英語圏では、自分が亡くなる前に挑戦したいことや、やっておきたい事を話題にする際に良く使われる言い回しです。

 

2008年に『最高の人生の見つけ方』という米国映画が日本で上映されましたが、この映画の原題がThe Bucket Listです。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという大物俳優が演じる二人の主人公は職業も社会的地位もまったく異なっていたのですが、入院先の病院でたまたま同じ病室に居合わせ、同じタイミングで“余命6ヶ月“と宣告されます。そして残された貴重な時間を利用して二人で一緒に世界中を旅行し、友情を育みます。

 

スカイダイビング、カーレース、ヒマラヤ訪問などたくさんのアドベンチャーを経験し、ところどころにコメディーの要素も入っていますが、やはり印象に残るのは人生や死に関する二人の会話のやり取りとつぶやきです。例えばピラミッドの上に座りながら「古代のエジプト人は、死後に人生を楽しんだか他者に喜びをもたらしたか尋問されると信じていた」と語ったり、「人の人生の価値を測るのは難しい。それは残していく家族や信仰、愛で決まると言う人もいれば、人生は全く無意味だと言う人もいる。僕は、自分を認めてくれた人達によって自分の人生の価値が決まると信じている。」と言ったりするシーンです(以下英文参照)。

-    Have you found joy in your life?

-    Has your life brought joy to others? 

-    It’s difficult to understand the sum of a person’s life. Some people will tell you it’s measured by the ones left behind. Some believe it can be measured in faith. Some say by love. Other folks say life has no meaning at all. Me? I believe that you measure yourself by the people who measured themselves by you.  

 

仮にあなたが今、ご自身のバケット・リストを作ってみたとします。一体どのような願い事が入ってくるでしょうか? どんなに大きな願い事でも、どんなに小さな望みでも、たった少しでも、たくさんあっても一向に構わないのです。他人に見せたり、“いついつまでに”という期限をつける必要もありません。大切なのは、ちょっと立ち止まって自分の心に目を向け、自分に正直になって願い事や望みをリストアップしてみることです。そして実際に実行・実現することができた願い事は一つ一つ線を引いて消していき、また新しい願い事を足してゆくことも可能です。

 

―「世界一周旅行に出かける」

―「インドのタージマハルを観に行く」

ー「アフリカに行ってサファリを体験する」

―「バハマに行って野生のイルカと泳ぎまくる」

―「カナダに行って野生のホッキョクグマを見るツアーに参加する」

―「フェラーリを運転する」

―「お腹いっぱい○○を食べる」

―「何が何でも○○試験に合格して資格を取る」

―「学生時代以来会っていない友人に会いに行く」

―「仲たがいしていた母(もしくは兄妹)に自分から連絡を取る」

―「謝りたかった人に謝る」

―「大切な人に今まで伝えられなかった大事なメッセージを伝える」

―「本当の意味で誰かを愛し、愛される関係を体験する」 

 

上記は今まで聞いた願い事の一例です(ちなみに私個人の望みも入っています)。ご覧の通り可能性は無限です。

 

後悔のない(または少ない)人生をおくるために、是非バケット・リストを作成してみてはいかがでしょうか? そして出来ましたら映画も観て下さい。きっと心に響くメッセージが届くことでしょう!

 

 

参考:『最高の人生の見つけ方』

http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%AE%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E6%96%B9

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